現場

2010.01.24

レントゲンと錯視

現在建築中の住宅、TK-HOUSEです。

Tatemaesasshu2

先週無事上棟を終え、屋根葺き、そして現在サッシュの取付工事中です。

まだ柱や梁の構造部材がスケルトンで見える状態です。

この段階を見ると、あたかもレントゲン写真のようだといつも思います。

骨格である構造部材や、血管のような電気配線や排水の配管など、

造作の下地部分がどうなっているのかが一目瞭然よくわかります。

Tatemaesasshu1

この状態こそ是非施主さんに見てもらうべき時期だと思っています。

自分たちの家の中がいったいどういう状態になっているのか、

住宅がどういうふうに出来上がっていくのか、を体感する絶好のタイミング

だと思います。造作工事が終わると絶対に見ることのできない部分ですから。

我々設計者も、後戻りが効かないこの段階で、

念入りに隅々までチェックを行います。

 

あと一つ、この段階でのとても重要な作業として、「錯視」の確認作業をします。

いわゆる「オプティカル・イリュージョン」と呼ばれる考え方で、

簡単に言うと、建物の形状と見え方とは必ずしも同じではない、

建物を見る角度や視点の高さによって、色々な見え方になるということです。

例えば、フランスの国旗のトリコロール。

赤・白・青と3色で分割されたデザインですが、3色すべてが同じ幅では

無いそうです。実は3色は青>白>赤の比率で塗り分けられており、

ちょうど均等に見えるよう調整されています。

これは膨張色である白と、インパクトのある赤を抑えて、ピッタリ3等分に

見えるという「錯視」の考え方に基づき、デザインをフォローしている為です。

人間の目は、その時見えた姿を実態そのものの形として認識しますので、

図面で考えていた段階とイメージに温度差が生じることがあります。

このような現象を補うために、設計段階でCGや模型で検討を重ね、

生活動線上の様々な視点からのスタディーをしておくことで、

錯視によるイメージの相違を無くしておく作業が設計者には欠かせない

と考えています。建物のバランスが角度によって予想していた通り見える

のか?イメージと相違があった時どう対処するのか?等等…。

Ttpers1

検討段階で予想していた見え方の違いを、予想通りかどうか確認する作業も、

この時期の監理上の重要ポイントになります。

実際に生活していて見えてくるであろうシーンごとにチェックすれば、

パーフェクトですね。

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2009.08.20

出張週間

お盆が開けてからずっと、出張やら打合せやら出ずっぱりで、

なかなかブログの更新ができません。

今週は出張週間ですが、ようやく折り返し地点を過ぎました。

高松のマンションもやっと設計監理者検査が終わり、

残るは、消防検査と役所検査となりました。

規模が大きいだけに、監理者検査も二日がかりです。

Reale_facade10

40歳半ばを前にして、耐力の衰え著しく、夕方にはフラフラになります。

こんな調子じゃ業務に支障が出るので

ちょっと体を鍛え直そうと決意したことも2度や3度ではありませんが…。

Reale_facade8

色々な事があった現場でしたが、施工会社の方々も、

我々の無理難題をいつも聞き入れてくれて、

この大きなプロジェクトもいよいよ完成を迎えようとしています。

あと少しです。

 

高松の現場へ向かう道中、3年半前に始めて高松で手がけた

マンションの前をいつも通ります。

私の四国でのスタートとも言うべき、思い入れのある建物ですので、

いつも感慨深く車中から眺めます。

Ritsurin3

Ritsurin2

隣の敷地にマンションが建つようで、杭打ちの準備を進めていました。

最近では、街中の建物は数年で周辺環境が様変わりします。

たとえ何年経っても、まわりの環境が変わったとしても、

輝きのある存在感を持ち続ける建物を創りたいといつも思っています。

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2009.06.30

雨をよろこぶ街

結構雨が降りましたね。

水不足も多少は復活のようですが安心は禁物とのこと。

ただでさえ憂鬱な梅雨にシトシト雨が降れば、

テンションが下がるのが普通ですが、道行く人も、タクシーの運転手さんも、

みんなが口を揃えて恵みの雨を喜んでいます。

雨が話題になる街。雨を喜ぶ街。なんかスゴくいいと思います。

水不足はいただけませんが…。

そんな降りしきる雨の中、本日は現場定例のため高松出張でした。

高松市のマンションの現場です。

Kawara_facade3  Kawara_hall2

交通の要所である瓦町駅の天満屋にほど近くで、

大通りである観光通りに面した抜群の立地です。

7月/中の販売開始に向けいよいよ大詰めです。

先日、外壁検査を終え、いよいよ昨日より足場解体が始まりました。

Reare_facade1_2

いつもそうですが、足場解体が始まると、ソワソワし出します。

お金を貯めてようやく買ったお気に入りの商品を、

楽しみに封を開ける感覚と似ています。

包み紙を一気にバリバリと破りたい気持ちを必死で抑えつつ、

そろそろと丁寧に剥がしていく感じ。

…実際の足場解体はそんな簡単なものじゃありませんけど。

夏の訪れとともに、いよいよ全貌が見えてきます。

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2009.04.09

Dramatic moment

普段、普通に暮らしていて、

思いもよらない瞬間に感動することはないでしょうか?

予想もしなかった瞬間を目にして、しばらく呆然と釘付けになるような。

先日、建物に夕陽が差し込む時間に、たまたま居た建物で味わった、

その時なんかがそうでした。

Gh_2 Gh_1

格子を通る夕陽によるパースの効いたストライプと、

影絵を見ているような額縁みたいなサッシュ。

その一瞬に、よく知っているはずの建物が見せる普段とは違った

別の顔を見て、ハッとします。

自分が設計した建物で、予想もしなかったドラマチックな瞬間に出会うと、

意表を付かれて感動する反面、

なんでこれに最初から気付かなかったんかいな、という悔しさを味わいます。

自然を空間に取り込む演出ができなかった自分に、妙にへこみます。

職業病です。

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